FXトレードをしていくにあたって必須のテクニックになるのがポジションサイジングになるんですね。
というのも、ポジションサイジングができるようになるとトレードの成績が向上するからです。
具体的には…
- 1回のトレードで一喜一憂しなくなる
- 負けても損失が取り返しやすい
- ロットサイズに迷う事がなくなる
上記の理由からでして、資金の少ないトレーダーほどポジションサイジングは必須のテクニックになるんですね。
今回はポジションサイジングの具体例からポジションサイジング計算ツールまで紹介していきます。
FXでポジションサイジングが必要な理由
FXトレードにおいてポジションサイジングは必須だと個人的には思っています。
というのも、ポジションサイジングをする事によって得られるメリットがかなり多いからですね。
- 心理的余裕が生まれる
- 複利をかける事ができる
- 冷静なトレードができる
上記のメリットがありまして、デメリットと言えばトレードの度に予め決めておいたルールに基づいて適切なポジションを計算することです。
これは慣れれば頭の中で暗算でできますし、暗算ができなくてもポジションサイジング計算ツールもありますからそれを使えば解決できます。
1.ポジションサイジングで心理的余裕が生まれる
まず1つ目は、ポジションサイジングによって心理的余裕が生まれる事にあります。
■固定ロットの場合
→毎回の損失額が絶対額と決まっているので連敗した時に大きく資産を減らしやすい
■ポジションサイジングする場合
→毎回ロットサイズを調整することにより、損失額を%として算出するので連敗の時でも大きな損失になりにくい
上記のことから心理的余裕がトレーダーに生まれてきます。
証拠金に対して毎回一定の比率(0.5%~2%以内)で損切りを抑える為常に冷静なトレードの判断ができるようになるってことですね。
これが証拠金に対して5%とか10%とかリスクを取ると心理的に不安定なトレードになってしまいます。
2.ポジションサイジングで複利をかける事ができる
2つ目は、ポジションサイジングによって複利をかける事ができる事にあります。
■固定ロットの場合
→毎回のロットが固定の為、資金が増えても複利は効きにくい。ロットを上げるタイミングが難しい
■ポジションサイジングをする場合
→証拠金の金額によってロットサイズの調整を行う為、証拠金が増えればロットサイズが大きくなり複利がかけやすい
上記のような違いがあります。
これは単利と複利の概念の話になりますが、
・単利で月利10%で1年運用 → 10万円は20万にしかならない
・複利で月利10%で1年運用 → 10万円は30万になる
これが固定ロットとポジションサイジングによる資産増加の差になります。1年だと10万円の差しかありませんが2年3年と時間経過を経る毎に単利では追いつけない水準に複利だと到達します。
もちろんどちらもトータルで勝つことが前提になりますが、ポジションサイジングすることによって複利の恩恵をもろに受ける事ができるんですね。
3.ポジションサイジングで冷静なトレードができる
3つ目は、ポジションサイジングによって冷静なトレードができるということです。
実際にトレードしているとトレーダーの心理を乱すような事象がたくさん起きるものですよね。
- 連続の負け
- ストップが狩られたあとに思っていた方向に動く
- 1回の損切りが大きすぎて心理的に痛い
上記の事はトレーダーならば誰しもあることですが、そこで冷静さを失ったら相手の思うつぼ。常に冷静なトレードをしておく必要がある訳です。
要するに、負けるのは前提としてトレードの戦略を立てる必要がある。もっと言うと起こりうる最悪の状態を想定してトレードする事が大事になります。
100万の証拠金・100pips損切りでトレードした時のシュミレーション
■固定ロットでの連敗
1万通貨でトレードで5連敗したら
→ 証拠金は95万円になる
■ポジションサイジングをする場合
証拠金に対して1%でポジションサイジング、5連敗すると
→ 99万 → 98万100円 → 97万300円 →96万600円
→95万1000円
上記のように同じ連敗でもポジションサイジングしていた方が多くの資産が残るんですね。5連敗だから1000円の差しかありませんが
トレードを重ねていく事でこの差が大きくなっていくんですね。これは複利も同じように時間経過とともに明確な違いとなって出てきます。
適切なポジションサイジングは人によって違う
FXトレードはどんな境遇の人でも資金さえあればトレードすることができますが
適切なポジションサイジングは資金量や人によって違うのであなた自身が自分で決めていく必要があります。
■基準となるポジションサイジングの目安
- 基本的なトレーダーは(0.5%~2%以内)
- うまいトレーダーで(3%~5%)
上記がポジションサイジングの目安となりますが、0.5%~2%の範囲内でも資金量や損失に対してどのように感じるかで個性が出る訳ですね。
最低でも守るべきは2%以内に収めることでして3%~5%では短期的には良くとも破綻する可能性が高まるので注意が必要ですね。
ポジションサイジングをする為に守るべき3つの事
- 絶対に証拠金に対して2%以内に抑える
- トレードルールは必ず守る
- 一定期間続ける事
上記の3点はポジションサイジングをするに当たって守っておくべきルールになります。
1.絶対に証拠金に対して2%以内に抑える
絶対に証拠金に対して2%以内にポジションサイジングをする事を心がけましょう。
仮に短期的に良くてもそのルールから逸脱する癖がいずれあなたの資金を大きく減らす事に繋がります。
証拠金に対して2%以上のリスクを取る事はトレーダーの心理に大きな影響を与えるので適切な判断ができなくなってしまうからなんですね。
2%以上のリスクを取る場合には最低でも5年長くて10年ほどの相場経験のある一部の超うまいトレーダーにのみ許されたものです。
安易にリスクを取ると破滅しますよ。
2.トレードルールは必ず守る
ポジションサイジングをするに当たってトレードルールは必ず守るようにしましょう。
これも証拠金に対して2%以内に抑える事と同様にトレードルールから逸脱する癖がトレーダーを破滅へと導きます。
- 損切りのポイント
- エントリーのトリガー
- エグジットのルール
- エントリーフィルター
などはあなたの持っているトレードシステムで明確なルールとしてあるはずです。
それから逸脱することはNG。もし逸脱したいならばロットを最低ロットに落とすかデモトレードでその検証を十分に行ってから新しいシステムとして構築しましょう。
3.一定期間続ける事
ポジションサイジングは短期的に見ると中々成果が見えてこない場合があるんですよ。
というのも、ポジションサイジングの思想は負けないことにありまして勝つことではなく負けないことからアプローチされている考え方になるので
資産が増えない時期があるのはまあ当たり前なんですね。
重要なのは、その時期でも負けていないか大きく負けていない状態にあること。
一定の期間を継続することで勝つターンもあまり資産が増えないターンも経験してこそ成果として結果が出てくるんですね。
トレードスタイルによりますが検証期間は数ヶ月とかかるものですのでどっしり構えて気長にトライしていきましょう。
ポジションサイジング計算ツール
煩雑なポジションサイジングの計算ですが慣れれば暗算でできるようになります。
が、慣れるまでや正確に計算するためには計算ツールを使うのがポジションサイジングを癖にするためには必須となりますので2つポジションサイジング計算ツールを紹介しておきます。
上記のどちらかの計算ツールがおススメです。
通貨ペアによってはpipsに対して100%損切り額にならずに80%の利益額・損失額になる事があるのでそういった通貨ペアのポジションサイジングでも正確に行う事が可能になっています。
私個人が使っているのはMatafでしてマイナー通貨ペアも網羅しているため非常に使い勝手がいいです。(プラットフォームが英語なので慣れる必要はありますが…)
どちらもシンプルな作りになっていますので使いやすい方を使ってポジションサイジングを習慣化していきましょう。
選ぶポイントはストレスがかかるかかからないかになります。(ストレスがかかると習慣化する時の弊害になるから)
ポジションサイジングを学ぶのに適切な本
ここまでで基本的にポジションサイジングの考え方や具体的なポジションサイジングの方法についてお伝えしてきましたが
ポジションサイジングは書籍でも学習する事が可能です。
本を利用する事でポジションサイジングの必要性や重要性がより明確になってポジションサイジングするという行動を起こしやすくなるのが大きなメリットですね。
ポジションサイジングをしない事によって起こる損失は10万20万と大きな損失額、人によっては数百万単位で損失を出す可能性があります。
それに比べたら1冊の本への投資で費用対効果は絶大だと言えますね。
上記の2冊はどちらも心理学やトレードに対する考え方も学べる書となっていますが
資金管理やポジションサイジングについても触れている良書です。
まとめ:ポジションサイジングを習慣化しよう
FXトレーダーにとってポジションサイジングは必須のものだと思います。
ポジションサイジングは短期的に行ってもあまり意味はなく中長期的に継続する事でその本来の威力を発揮するといいです。
短期的にはやる気やモチベーションだけでなんとかできるかもしれませんが、中長期的に継続するためには習慣化が必須となります。
いままでポジションサイジングをしてこなかった人からするとポジションサイジングの計算の工程は非常に煩雑なものではありますが
計算ツールや体系的に学べる本をあるのでそれらをうまく活用してより良いトレード成果を出せるように頑張っていきましょう。