FXトレードの損切り幅を決めるのは非常に難しいです。
特にスイングトレードの損切り幅、大きくなってしまう為安易な損切りラインを採用してしまうと損失を大きく食らってしまう事があります。
損切りラインの決め方の目安や考え方について理解することができれば、長期的に負けを減らす事が可能になって行きます。
✔本記事の内容
- スイングトレードの損切りラインの決め方・考え方
- 損切りの本質的な部分
上記の内容で解説していきます。
FXスイングトレードの適切な損切りラインの決め方・考え方
スイングトレードの適切な損切りラインの考え方にはいくつかのアプローチ方法があります。
どれも相場の原理原則に則った方法でどのアプローチ方法も間違いではありません。
- ダウ理論から考える
- エリオット波動から考える
- 上位足の重要ラインから考える
ざっくり上記の3つぐらいのどれかからアプローチしていくと良いでしょう。
また、他にもフィボナッチだったり、サイクル理論なんかも考慮することができます。
ダウ理論から考える
まずはダウ理論から考えていきます。(ダウ理論についてはこちら)
ダウ理論で1番重視するのは色々とありますが、損切りラインに絞って考えると…
高値・安値の推移に着目する
これに付きます。シンプルに直前の高値・安値に損切りラインを置く。これがダウ理論から考える損切りラインの方法です。
ただ、どこを直前安値と認識するかには個人差がありますから、私の視点で少し解説していきます。
実際の損切りライン:例1【ダウ理論】
ダウ理論から考える損切ラインでは、高値と安値に着目して考えていきます。
上記のように高値と安値の認識を行って損切ラインを設定していきます。
・ロング → 直前安値
・ショート → 直前高値
と設定していけばOKです。
もちろん、他の要因も考えて損切ポイントが置けるならそれに越したことはありません。
エリオット波動から考える
次にエリオット波動から損切りラインを考えていきます。
まず、エリオット波動の鉄板的なエントリーポイントとして考慮できるのは…
- 3波想定の2波押し目でのエントリー
- C波想定のB波の戻し目でのエントリー
上記の2つがシンプルで取りやすいと思います。もちろん4波押し目も順張りトレードで狙う事は可能です。
実際の損切りライン:例2【エリオット波動2波押し目狙い】
エリオット波動2波押し目狙いのエントリーの場合の損切は
2つのポイントが考えられます。
1:水平線でみる損切
2:最安値更新で損切
上記の2つです。
まず1つ目がこちらの赤のラインで損切です。
これは、損切設定がきつめになるので波動によっては損切になる可能性が高いです。
2つ目は
上記ですね。こちらは最安値更新で損切です。
この場合ですと波動推定ポイントが間違っていなければ損切になることはありません。
逆に言うと、損切になった場合に波動カウントが間違っていたと判断できます。
(とはいえ、この波動カウントは裁量がかなり入るため難しい)
実際の損切りライン:例3【エリオット波動B波戻し目狙い】
基本的には2波押し目狙いの逆だと考えればOKです。
今回は上昇推進波動で考えるので、ショートの目線で記載しています。
1:3波高値の水平線での損切
2:5波上抜けの損切
1つ目は3波高値の水平線での損切です。
上記の赤の水平線の水準です。今回の場合では、3波高値の水平線でb波が到達していますが実際には少し上まで戻してから下落していくということも多々あるので
きちんと検証して勝率を理解しておく必要があります。
2つ目は5波天井での損切です。
こちらは1つ目の損切とは違い
波動カウントが間違ってさえいなければほとんどの場合で機能します。
こちらも前述したとおり波動カウントの裁量に難しさは残りますが優位性はかなり高いエントリーができます。
上位足の重要ラインから考える
3つ目は、上位足の重要なレジサポから考えるアプローチです。
相場では、上位足であればあるほど相場参加者が増える為、長く反応しているラインを見つける事ができます。
それらを実際の損切りラインに適応していこうということです。
- 1H足でのトレードなら4H足・日足のライン
- 30分足なら1H・4Hのライン
上記のように、あなたがトレードする時間軸の上位2つぐらいの重要ラインは確実に確認すると良いですね。
これは環境認識でも使う必須の方法です。
実際の損切りライン:例4【上位足の重要なライン】
こちらは水平線を採用して上位足の重要なラインを選定していきます。
採用には個人個人の好みが分かれるところではありますが
概ね2~3回は反応しているラインを採用することになります。
■安値-安値-安値
■安値-高値-安値
上記な水平線を見つけて採用していきます。(慣れてくると秒で見つけられるようになってきます。)
今回は説明の都合上安値のパターンですが、高値でも同じように使うことが可能です。
上位足の重要なライン【安値-安値-安値】の場合
まずは日足で安値-安値-安値のポイントを見つけていきます。
上記の画像では、かなり水平線が意識されているのが確認できますね。
こちらを1Hに落として確認していくと…
もちろん、これは損切ラインの根拠となるので別でエントリー根拠は探すことになりますが
かなり強いサポートとして機能しているのが確認できますね。
上位足の重要なライン【安値-高値-安値】の場合
まずは日足から見ていきます。
安値が反発したポイントを下抜けした後ロールリバーサルの形になってた高値としてレジスタンスになっているのが確認できます。
1H足に落として確認していくと…
こちらもレジスタンスとしてかなり強く機能しているのが確認できます。
このようにしてロングでもショートでも損切ラインを上位足の重要なラインから採用することが可能です。
コツとしては何度も機能しているところを採用することですね。
損切ラインを決めるときに注意するポイント
損切ラインを決める時に注意しておくポイントがあります。
注意1:複数根拠が重なるから根拠は強い?
注意2:ここは根拠が強そうだからと過信しない
上記の2つです。
注意1:複数根拠が重なるから根拠は強い?
複数根拠が重なるからと言ってそこが強くなる訳ではありません。
■水平線+移動平均線+フィボナッチ
■RSI+ボリンジャーバンド+ダウ理論
などなど、複数の根拠があるとそこのエントリーが強くなる。と思ってしまいがちです。
ですが、実際には複数の根拠=強い根拠ではなくて
その相場で意識されるもの=強い根拠となります。
とはいえ、これを毎回見つけるのは不可能です。だからこそ損切が必要になります。また検証が必須になってくるんですね。
注意2:ここが強そうだからと過信しない
どれだけ強い根拠が見つかったとしても、そこが絶対に損をしないポイントにはなり得ません。
というのも、相場において絶対ということ自体がないからです。
つまり、どれだけ自身のある相場分析ができても資金管理が確実に行うようにしましょう。
この思考方法があるかないかで長期的に資金が残るかどうかの分岐点になります。
どんなトレードスタイルでもやること同じ
さて、ここまでスイングトレードの損切りラインのアプローチ方法について解説してきました。
根本的に本質の部分では、どんなトレードスタイルでもやることは同じです。
意識すべきことは以下の2つですね。
- 損切り幅は固定で考えない
- トレードルールを守る事が最優先
損切り幅は固定で考えない
まず1つ目は、損切り幅は固定で考えない。です。
損切り幅を固定で考える事は、損失の計算が楽になるし、損切り位置もエントリーポイントに依存する為あまり考える必要がありません。
ですが、それでは良い結果にならない事が多いのですね。
固定で決めた損切り幅は自己都合でしかないから
これが非常に重要な考えになります。つまり、全く根拠のないところがロスカットポイントとなってしまうんですね。
こうなると、損切りされた瞬間に利益方向に動いたり、損切りができなくなっていきます。
参考:FXの損切りはpipsで決めるな!失敗しない損切り目安とは?
トレードルールを守る事が最優先
2つ目は、トレードルールを守る事が最優先。です。
損切りライン然り、エントリー根拠然りですが、あなた自身が決めたトレードルールに従う事がすごく重要なんですね。
というのも、トレーダーは一貫性のある行動を取ることで利益に繋がっていきます。
損切りラインも同じで
- 今回はフィボナッチから損切りラインを決める
- 今回はダウ理論から損切りラインを決める
上記のように、毎回違う行動を取っていると確率が収束してこないんですね。
これでは、ある時点で連続して負けた時にトレードルールに対しての信頼が揺らいでしまいトレードルール自体を守らなくなる。という自体に陥る可能性があります。
そのため、まず初めに何か1つをトレードルールに組み込んで100回ぐらい検証してみるのが効果的です。
参考:FXはトレードルールが必須!ルールの作り方・守り方【実例あり】
まとめ:損切りは相場から退場しないための必須技術
記事の内容をまとめます。
■損切りラインの適切なアプローチ方法は3つ
→ダウ理論・エリオット波動・上位足のライン
■どんなトレードスタイルでもやることは同じ
上記です。
トレーダーにとって損切りは、相場から退場しないための必須技術になります。
損切りを入れていないのは、FXにおいては論外といえます。
この時点で損切りラインについて考えられているあなたは、トレーダーとして上位に入ってきます。
別に持ち上げる訳でもなんでもなくて、損切りラインについてここまで思考している人が少ないということです。
なんとなくやここまでの損失は受け入れられないからといった安易な損切りラインの決め方ではなくて、
きちんと相場の原理原則の法則を使って根拠のある損切りラインを考えてトレードをしていきましょう。