FXで始めたころは損切りのポイントというのは非常に分かりにくいですよね?その時に何pips下がったら損切りと幅固定でを決めているトレーダーも多いのではないでしょうか?
しかしその損切り目安では非常に危険です。
なぜなら相場は常に動いているから、損切り幅が毎回同じということはありあえないのということ。
明確な損切り目安を設けて損切りできるというのは、とても素晴らしいことです。
しかし、もう少し踏み込んで損切りを適切な箇所で行えるようにしていくとトレードの結果が良くなります。
良くシステムトレードやシグナル配信なんかでは損切りpipsを固定してトレードするのをみかけますがそれは適切ではないということです。
これは個人の裁量トレーダーも同じで損切りポイントは毎回違うべきなので、同じということはあり得ません。
では、どのように損切りを決めていけばいいのでしょうか?今回は適切な損切り幅の決め方をお伝えしていきます。
FXで損切りをpipsで固定するトレーダーは負ける
損切りをpipsで固定するトレーダーは必ず負けます。これは相場が動いている以上毎回損切り幅は違って当然の為、当たり前のことです。
損切り幅をpipsで固定するのは、トレードをシステム的に行っているということなのでとても優秀なトレーダーです。
ですが、さらにもう一歩踏み込んで損切り幅を設定して上げることでトレーダーとして優位に立ち回ることができます。
そもそもFXのpipsってなに?
そもそもpipsというのは、100.200の小数点第2位の数え方の事で、日本円の単位で言うところの1銭2銭の数え方の部分です。
これをFXでは1pips、2pipsと表します。
例えば…
10銭の値動きがあればFXでは10pips動いたという風に表現します。
トレードのpips表記に慣れていないと考え方が難しいですが、これは覚えるというよりもなれる方が早くて
- リスクリワードの計算に使う
- エントリーの判断に使う
- トレード結果の集計の時に使う
というように、基本的にFXトレードをしていく中で確実に使う知識になります。
が、上述しているようにFXをしていると触れる機会が増えるので最初はややこしいかもしれませんがpips表記になれておくと効率が上がりますよ。
pipsの計算には慣れておく
簡単な計算になりますがトレードをしていくうえではpipsとその計算に慣れておく必要があります。
例えば…
問題1:1万通貨でエントリーして、20pipsで利益確定した場合利益はいくらになるでしょうか?
答え:2000円
問題2:5万通貨でエントリーしていて、100pipsで損切りした場合、損失額はいくらになるでしょうか?
答え:50000円
上記のような計算方法になります。
問題:1万通貨で100pipsかった場合には利益額はいくらになるでしょうか?
答え:この答えはあなた自身で考えてみましょう!
上記の計算は最初は難しいかもしれませんが、慣れれば暗算で行う事ができますし、
どうしても慣れない場合には、計算ツールなんかも存在するので上手く活用してエントリーエグジットの判断に使えるようにしておきましょう!
pips計算が苦手な方は便利な計算ツールがあるので”ポジションサイジング計算ツール【Mataf】の使い方解説【画像付きで解説】”を参考に計算してみて下さい。
各トレードの損切りpipsは毎回変わる(重要)
各トレード毎に損切りpipsは毎回変化するのが当然なんですね。
というのも、相場状況によって損切り幅は変動するからです。今日と明日で同じ損切り幅で良いはずもなく
ボラティリティという相場の値動きの幅も
- 通貨ペア(ドル円なのかポンド円なのか)
- 時間帯(豪ドルなんかは日本時間の午前中に動きやすい)
- 日付(その日に重要な指標があれば大きく動く可能性がある)
上記のような要素が複合的に絡み合って値動きの幅は決まってくるものでして
そんな相場状況で固定pipsの損切りがどれだけ不適切なのかは理解できると思います。(もちろん、固定pipsで検証してトータル勝てるならばOKだが)
基本的には相場状況によって損切りpipsも変えるのが適切な投資行動なんですね。
その為、損切りはpipsで固定するのではなく、許容損失幅と相場状況によって決めるのが適切な損切りのポイントの決定方法になります。
FXの損切りは許容損失額から決める
FXの損切りの許容額というのは、あなた自身が1回のトレードでどこまでの損失を許容できるか?という事です。
- 10万円の証拠金に対して2000円の損失まで許容できる(許容損失2%)
- 50万円の証拠金に対して5000円の損失まで許容できる(許容損失1%)
- 30万円の証拠金に対して1500円の損失まで許容できる(許容損失0.5%)
上記のように人によって個性が出るのが許容損失なんですね。
それで、この許容損失でよくあるのが証拠金に対して2%の許容損失が良い。ってことですがこれは統計的に負けてもトレーダーの心理が不安定になりにくい数値という事。
が、これはあくまでも統計ですので、許容損失額2%に抑えても
- 損切りができない
- トレードでハラハラしてしまう
場合には、もっと許容損失額を下げる必要があります。この辺はあなた自身しか分からないのでご自身で心と向き合って調整していく部分ですね。
過去の統計として出ている部分は参考になるので、目安の数値が%という事。
具体的なトレードの許容損失額の計算方法
許容損失額がトレードにおいて重要だという事は理解できたと思いますので、具体的な許容損失額の計算方法を解説していきます。
使う数字は以下のものです。
- 損切りpips
- 証拠金
- 許容損失が何%か
上記が分かれば今エントリーする事が適切なのか?ロットはいくつでエントリーすれば良いかを算出する事ができます。
それでは、実際の計算です。
■実際の許容損失額の計算①
- 損切りpips 50pips
- 証拠金 50万円
- 許容損失が何%か 1.5%
上記の数字の場合には、
・許容損失額 → 50万円の1.5%=7500円
・実際エントリーする場合のロット(ドル円の場合)
→ 1万5千通貨でエントリーが可能
といった感じになります。
■実際の許容損失額の計算②
- 損切りpips 200pips
- 証拠金 100万円
- 許容損失が何%か 1%
上記の数値の場合には
・許容損失額 → 100万円の1%=10000円
・実際エントリーする場合のロット(ドル円の場合)
→ 5千通貨でエントリーが可能
上記のように計算していきます。
慣れれば暗算でもできるのでマストで慣れておきましょう。
トレードの許容損失額を決定する事は資金管理の重要な要素
トレードの許容損失額を決定する事はトレードの資金管理において重要な要素なんですね。
というのも…
- 予め損切り想定する事が可能になるから
- 自分で損切り額を決定してるから損切りしやすい
上記の理由がありまして、何が言いたいかと言うと
許容損失額をあらかじめ決定しておくと損切りが圧倒的にしやすくなる。
という事なんですね。損切りは資金管理の要諦でして、要諦である損切りをしやすくする為のノウハウが許容損失額を決定する事なんですね。
1つの知識だけでは断片的だった物でもこうしてリンクさせて考える事で大きく力を発揮するので許容損失額を決めて損切りができるようになっておきましょう!
具体的な資金管理の仕方はFXの資金管理で鉄則のルールとは?これが守れないと必ず破産するでも書いているので気になる方はどうぞ。
獲得pipsが損益に比例してくる
獲得pipsが損益に直接比例してくるのは言うまでもありません。
そのため、リスクリワードも考えてトレードをする必要があります。
リスクリワードは1:2以上のトレードになるようなエントリーポイントを探っていきましょう。
リスクリワードが1:1では勝った時と開けた時の損益がトータルになりません。スプレッドがある分マイナスになってしまいます。
そのため必ず1:2のトレードをするように心がけましょう。
リスクリワードと同時にポジションサイジングの考え方も知っておくとトレードの幅が広がるのでFXの資金管理の必須テクニック【ポジションサイジング】について解説するも参考にして下さい
FX相場は生き物だから同じ相場は二度と来ない(発展編)
少し、抽象的な話ですが損切りpipsの考えかたとして大事な要素をお伝えしておきます。
それが…
相場は生き物だから同じ相場は二度と来ない
ってことですね。上記の言葉は非常に抽象的ですが重要で、この考え方を持っていると
- 固定pipsでの損切りが不適切な理由が分かる
- 過去検証で手法の最適化が意味のないことだと分かる
- 相場は常に予想できないから損切りしないといけない事が理解できる
といったメリットが存在します。
つまり、FXトレーダーにとっては必須の考え方という事。
過去の相場と似ている事はあれど、今のその相場は似て非なる物なんですね。
もちろん、過去の相場があるからこそ
- 現在の相場に影響を及ぼす
- 未来の相場に影響を及ぼす
といったようにお互いに修飾している訳ですが、相場では淘汰がつきもので、過去の相場でトレードしていた人と今の相場でトレードしている人が同じであるはずもなく
人間心理の集合体で動く以上、統計的に似たようなチャートはあれど全く同じ相場はないという事が理解できます。
この視点は少々難しいですが、理解しておくとあなたの行動基準が大きく変化していくと思うのでしっかりと腑に落としておきましょう。
FXトレードで失敗しない損切り目安とは?
ここからは少し発展ですが、失敗しない損切り目安について解説していきます。
- ダウ理論の根拠が崩れた
- エリオット波動の根拠が崩れた
- グランビルの法則の根拠が崩れた
- ヘッド&ショルダーの形が崩れた
上記のように、根拠が崩れた時が損切りの目安になります。
細かい損切り目安に関してはあなたの手法がどんなエントリーをしているかによりますが、原理原則は同じですので上記のものが損切りの目安として参考になりますよ。
FXで使える基礎的な分析方法については【保存版】FXトレードで使う基礎的な分析方法のまとめと使い方解説で説明しているので参考にしてください。個人的に力作です笑
FXトレードの具体的な損切り・ロスカットルール
さて、ここからは具体的な損切り・ロスカットルールについて解説していきます。
というのも、損切り幅はpipsで決めない事が分かっても具体的な損切りルールが分かっていないとどこで損切りしたらよいのか迷うからですね。
- エントリー時に決めたエグジット戦略に従う(上記根拠が崩れたら損切りも含む)
- 自分の気持ちに関係なく躊躇なく損切りする事
- 損益率やバルサラの破産確率に照らして見て確率の高い手法でトレードする
上記のような事が私が実際に使用している損切りルールになります。
面白いのは、上記損切りルールを実践する事でエントリーが結果的に絞られていく事ですね。
というのも、損切りルールの実践によって考えないといけない事がエントリー・トレードシナリオ・自分の心理状態なんかも考慮した上で損切りを決めるからなんですね。
ルールは人それぞれ様々で上記はあくまでも私が合うルールなので、ぜひあなた自身に合う損切りルールを決めて実行してみましょう。(うまくいかない、守れない場合にはそのルールが複雑すぎる可能性があります)
まとめ:やることの順番を間違えない
FXでの損切り目安はpipsで固定するのではレベルが少し低いです。
もちろん損切りができるだけ他のトレーダーよりも有利に立ち回ることができますが、せっかく損切りができているならさらに有利に立ち回れるような損切りの仕方を身につけましょう。
それが今回ご紹介した、自己資金の2%の損切りです。
この損切りができるようになれば大きな負けはまずなくなります。1度の損失を2%に抑えるので当然。
これがかなり重要です。
トレーダーには順序があり、多くのトレーダーがその順序をすっ飛ばして勝ちに行こうとしてしまいます。
まずトレーダーが目指すのは大きく負けない様にすることです。これができないと勝ち続けることはできません。
それができてようやく、どうやって勝っていくのか?つまり勝率を高める作業に入っていきます。まずは多きく負けない事を意識する。
これだけでトレーダーとして相場に対する見方が変わってくるので、大きく負けない事を意識してトレードに臨んでいきましょう!