ダウ理論というものについて今回はお伝えしていきましょう。
ダウ理論と聞くと少しでもFXを理解しているトレーダーなら誰でも耳にしたことがある言葉だと思います。
しかしながらこのダウ理論を軽視しているトレーダーは多くいます。ですがチャート分析をしていく上でこのダウ理論は切っても切れない関係にありますからトレーダーになる以上は必ず理解しておく必要があります。
今回はそのダウ理論についてお伝えしていきましょう。
ダウ理論の中で何を1番意識するべきか?
これからダウ理論についてごちゃごちゃ書いていきますが、結局のところ知りたい事ってダウ理論をどうやってトレードに取り入れるのか?何が重要なのか?ということだと思います。
ダウ理論で1番大切になるのは高値・安値の推移に着目しろということなんですね。
よく何もチャートに表示させずに値動きを見るのがトレーダーには重要だという事がありますがこれはダウ理論の考え方に大きく影響されているんですね。
それでこのダウ理論というのは難しい言葉で説明されていますが高値・安値の推移に着目して今が上昇トレンドなのか?それとも下降トレンドなのか?あるいはレンジなのか?
この判断がチャートを見た時に判断できるように何度も反復練習をしておきましょう。
ダウ理論はチャート分析の基礎中の基礎
冒頭でもお伝えした通りダウ理論はチャート分析の基礎中の基礎の理論になります。
このダウ理論はすべてのチャート分析の基礎になります。
他の移動平均線やボリンジャーバンド、RSIなどのインジケーターを使った分析であれどれもこのダウ理論の理解がないままに使うと上手く使いこなすことができません。
それぐらいにダウ理論は重要な理論になります。
ダウ理論の6つの基本原則
ダウ理論には6つの基本原則というものが存在しています。
この6つの基本原則というものはダウ理論の概念の根底の部分にありますから必ず覚えておきましょう。
- 市場価格はすべての情報を織り込む
- トレンドは3つの波動が存在する
- トレンドの局面は3つある
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
- トレンドは相互に確認する
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
上記の6つです。順番に解説していきます。
1.市場価格はすべての情報を織り込む
現在のある時点の価格はすべての情報を織り込んだ価格であるということです。
つまり、これはどんなリスクが内包していようと市場がそれをすでに織り込んでいるという考え方になります。
2.トレンドは3つの波動が存在する
トレンドは短期・中期・長期の3つの波動から成り立っています。
- 短期:1時間~1週間
- 中期:数週間~数ヶ月
- 長期:数ヶ月~数年
上記のようにいくつもの時間のトレンドが重なって価格を形成していきます。
長期目線では上昇トレンドでも短期・中期では下降トレンドということもありうるということです。
3.トレンドの局面は3つある
トレンドには3つの局面が存在していて
- 先行期
- 追随期
- 利食い期
の3つから形成されています。
それぞれ、どのようにトレーダーに意識されているのか上昇トレンドの場合で確認しましょう。
先行期
先行期では、下降トレンドの渦中にあるため、買いでエントリーするにはかなり勇気のいる局面です。
売っているトレーダーの利確買いと新規逆張りトレーダーのロングエントリーによってこの先行期は作られていきます。
追随期
追随期では、上昇トレンドが始まったかな?と認識することができます。ここで入るのは比較的用意ではありますが、まだ、長期視点では売り目線のトレーダーもいるため、下降トレンドに続伸していく可能性もあります。
明確な高値ブレイクなどの根拠も探してエントリーできるとベスト。
利食い期
利食い期では、先行期と追随期でのロングの利確売りが出始める時です。
負けトレーダーの多くはここになってようやく思い腰を挙げてロング検討し始めてきます。ここでは価格がレンジになることが多く。
遅すぎるトレーダーのロングエントリーと、利確売りが重なる局面なのでもみ合いになる傾向が多いです。
3つの局面のどこでエントリーするのがいいか?
それで、大切になってくるのはどこでエントリーするのがいいのか?という事ですよね。
あまり慣れない内には追随期を狙ってエントリーしていくのが好ましいです。
というのも、
追随期ではトレンドが発生していると考えて、トレンド方向のエントリーというのが積まれる為、利益が伸ばしやすく含み損の期間が比較的短くて済むから。
先行期と利食い期はいってしまえば相場の天井と底。
ここを見つけるのは熟練のトレーダーでも難しいものがありますし。もしエントリーできたとしても、先行期~利食い期までホールドするというのはよほど気長に待てるトレーダーでないと厳しいです。
「相場の天井と底はくれてやれ!」という相場格言もあるので、天底は無視してトレードしていけるといいですね。
4.トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続します。
ここで言う明確な転換シグナルとは高値・安値の推移に着目します。
直近の高値・安値の推移がトレンドの定義に当てはまらなくなったらトレンド終了のシグナルだと解釈しましょう。
注意して置きたいのが、短期トレンドでは転換シグナルが発生していても中期トレンドではトレンドの転換シグナルが発生していないという局面があります。
このように短期・中期・長期とトレンドがいくつも絡みあっているのがFX相場なので短期トレンドが転換シグナルを発生したからと言って一気に価格が下がるとは言えないということを理解しておきましょう。
5.トレンドは相互に確認する
トレンドは相互に確認するという言い方では理解し辛いですが、
簡単に言うとトレンドは1つの指標だけでなく複数の指標から判断しましょうということです。
例えば、
高値・安値の推移では上昇トレンドだが、移動平均線ではまだトレンドとは言えない。
このように複数の視点からトレンドを確認することが重要です。
上記のようにエントリーフィルターをかけていく事でより精度の高いエントリーができるようになります。
トレンドを相互に確認する時に使える指標
トレンドを相互に確認する場合には、2つ以上の指標が必要になります。そこでトレンド確認に使える指標を紹介しておきます。
- 移動平均線(MA)
- バリンジャーバンド
- 一目均衡表
- MACD
主要な所だとこのようになります。大体どの証券会社のトレードツールでも使えるものになりますからぜひ使って見ましょう。
通貨ペアの相関性からトレンドを相互に確認する
通貨の相関性からもトレンドというのは確認することができます。
例えば
■通貨ペアの相関
- ドル円 と ポンド円
- ポンドドル と ポンド円
- ドル円 と ユーロドル(逆相関)
■通貨ペア以外でも相関性は見られる
- NYダウ と 日経平均
- 日経平均 と ドル円
- 金地金 と ドル (逆相関)
上記のように、通貨同士での相関というものがあります。
これらからトレンドを相互に確認することも可能です。
ただし、ここで注意することは必ずしも相関になるという事では無いという事。
時期によっては全く相関性がなくなったり、逆相関といった事にもなりますから、くれぐれも盲信はしないようにしましょう。
複数の金融商品から相関性を見出す
複数の金融商品や指標から相関性を見出す事も可能です。
例えば
- 米国債金利 と ドル
これは有名な話で、米国債金利が上がるとドルが上がる。
というのも、米国債金利が上昇すると、債権の利回りがよくなるから。利回りがよくなると債権を買うためにドルにマネーが集まる。
こういった構図です。
このような相関から、ドルが買われた結果としてドル円が上がるということが想定できたりもします。
6.トレンドは出来高でも確認されなければならない
トレンドは出来高でも確認されなければならない。
例えば、上昇トレンドの時に
価格上昇中 → 出来高増
価格下落中 → 出来高減
という事です。
これが出来高で確認されていない限りは上昇トレンドと定義するには曖昧な形になってしまいます。
また、トレンド継続中には、出来高は徐々に減っていき、トレンド最終局面になると出来高は激減する傾向にあります。
出来高分析で使えるプライスアクション
チャートの黄色の四角内の動きに注目して下さい。
図のような、下降トレンドの最終局面でプライスアクションのピンバーが出た時にはセリング・クライマックスと呼ばれる減少が働きます。
これは下降の最終局面と判断できる可能性があるプライスアクションです。
インジケーターに頼る前にダウ理論を体得する
ダウ理論はチャート分析の基礎になりますのでこれを抑えて置かないとはっきりいってトレードで勝つのは難しいでしょう。
また、有名なグランビルの法則やエリオット波動もこのダウ理論が元の考え方としてあるものになります。
トレードで勝っている人というのは、知らなくてもこうしたダウ理論の考え方に近いものを持っています。それはそれだけダウ理論の概念というものを理解していないと勝てないことの証明です。
他のインジケーターを使う前に必ずダウ理論については理解しておきましょう。
トレードではトレンドに乗っていないと勝ち越す事は難しくなりますし、何よりもトレンドに乗ることが一番楽ということもあります。
もちろん逆張りという言葉が存在するようにトレンドの逆に張るということもできますがこれは逆張りだけど順張りになるということなんですね。
この禅問答みたいなことも理解できる人には理解できる事と思います。
まとめ
ダウ理論というのは、チャート分析の根底にある概念になります。
何年も前に提唱されていながら今も語り継がれている重要な相場に対する考え方なので必ず理解して使えるようにしておきましょう。
この理論なくして他の分析手法を使っても使い切れないことが多いので
他のインジケーターとは違って視覚的には理解し辛いですががんばりましょう!